日本では、2013年6月から、副反応問題のため接種勧奨の差し控えが約9年続いていました。
しかし、HPVワクチンの効果と安全性に関する多くの知見が得られたため、2022年4月より定期接種の積極的接種勧奨を再開。
情報が届かなかったために接種機会を逃した女性への「無料キャッチアップ接種」が開始されています。
子宮頸がんワクチンは、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルスの感染を予防するワクチンです。
赤ちゃんが「おたふくかぜ」にかかってなおると、「この子はもう、生涯、おたふくかぜにはかからない」といいます。
このように「一度おたふくかぜにかかったので、もう二度とかからない」ことを、「おたふくかぜに免疫を持っている」といいます。
免疫ができる病気はいくつか知られていますので、適応力の大きい乳幼児の時に、あるいは健康な時に、あらかじめ免疫を作り上げる工夫がされています。
「免疫をつくる種(たね)」を「ワクチン」といいますが、これを注射したり皮膚に付けたりして、その病気に対する免疫力を造るのです。
HPVワクチンは2価、4価及び9価の3種類があり、どのワクチンにも子宮頚がん患者に最も多い16型及び18型が含まれていています。
海外からのデータによると感染及び前癌病変の予防効果に関して高い有効性が示されており、初回性交渉前の年齢層への接種が推奨されています。
子宮頚がんワクチンは、2021年11月26日、小学校6年生から高校1年生の女生徒を対象として積極的な勧奨が再開されました。
12歳から15歳未満での免疫の獲得が高いことより、基本3回接種ですが、この年齢に対しては、2回接種が行われており、15歳以上の女生徒に対しては3回接種が実施されています。
キャッチアップとは追いつくという意味です。
話題になっていた副作用と当該ワクチンの間には有意な因果関係は証明されませんでした。
* 平成25(2013)年から令和3(2021)年の、HPVワクチンの接種を個別にお勧めする取組が差し控えられていた間に、定期接種の対象であった方々の中には、HPVワクチンの公費での接種機会を逃した方がいらっしゃいます。
こうした方に、公平な接種機会を確保する観点から、定期接種の対象年齢(小学校6年から高校1年相当)を超えて、あらためて公費での接種の機会をご提供しています。
接種の対象となる方
次の2つを満たす方が、あらためて接種の機会をご提供する対象となります。
・平成9年度生まれ~平成18年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2007年4月1日)の女性
・過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない
接種が受けられる時期
接種の対象に該当する方は、令和4(2022)年4月~令和7(2025)年3月の3年間、HPVワクチンを公費で接種できます。
参考リンク
もっと知りたい 子宮頸がん予防
厚生労働省
ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~
日本産婦人科学会
子宮頸がんとHPVワクチンに関する正しい理解のために
福岡県 Cプロジェクト
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